「ありがとう」が原動力になる人、ならない人

この間、以前の職場の先輩と久しぶりにランチしてきました。

先輩は昨年の秋ごろに転職をしており、派遣社員として就業を開始してもうすぐ1年というころ。転職当初は慣れない環境・仕事に多少のストレスを感じながらも、何とか業務にキャッチアップしようと努力していました。

不満を表に出さず、見えないところで努力するタイプの先輩だったので、根を詰めすぎていないかな…と心配していたところでしたが、なかなか会う機会を作ることができず、気づけば最後に会ってから半年ほどが経っていました。

先輩は職場を変え、新たに悩みを抱えていた

派遣社員として働く場合、コーディネイターと呼ばれる派遣会社の担当社員が付き、就業中の悩みや契約の更新等についてサポートを受けられます(中期~長期契約の場合は会社を問わず、コーディネイターが付くケースがほとんどのようです)。

私が聞いた例では、

契約書と異なる業務に従事させられているが、どうしたらよいか
業務上の人間関係でトラブルがあり、解決に向けて仲介してほしい

といった相談から

期間満了を待たずに退職したいがどうしたらよいか

など、コーディネイターのサポート範囲は多岐に渡ります。1人のコーディネイターが担当する派遣社員は数人~会社によっては数十人にのぼることもあるそうですから、コーディネイター役の大変さも分かります。

先輩の場合、

未経験歓迎の業務ということで畑違いの仕事へ飛び込んでみたが、適性がなくミスが続いてしまって辛い

という理由で、数か月前からコーディネイターと面談を重ね、派遣先企業を変えた≒転職したとのことでした。派遣先が変わったのは1か月ほど前とのこと。新しい環境で辛い時期なのは重々分かってはいるけれど、今度の職場で仕事を続けることにも少し抵抗を感じると悩んでいました。

業務適性はある。それならどうして悩むのか?

先輩は事務職としての経験が長く、いつも冷静にミスのない仕事をする人で、私から見れば「事務職の適性がある人」。

聞けば仕事内容もいわゆる「事務」で、しかも以前の(私とともに仕事をしていたときの)業務内容と似ている。どこに辛さを感じているのだろう、と疑問に思いました。

「ありがとう」をガソリンする先輩、できない私

働く理由や目的は人それぞれありますが、そのモチベーションを維持する方法も人それぞれでしょう。

話を聞いていると、先輩は人から「ありがとう」と言葉をかけられることで、モチベーションを維持できる、とのこと。そして、直近の2つの職場では、それが十分に得られない環境にあるとのことでした。

短期間に複数職場を変えたことで、堪え性のない印象を与えてしまうかもしれません。しかしながら、実際の彼女を知っている私からすれば決してそのようなことはありません。かなり過酷な環境でも長期間勤め上げた経験があることも私は知っています。

いつでも冷静で仕事への意識も高く、(良くも悪くも)感情と仕事を切り離して考えることができる女性でした。そのため、「ありがとう」の声掛けが足りないという理由で職場を変えたいと思った、というのは非常に意外に思えました。また、「事務の仕事では人を喜ばせることができない」とも話しており、これも意外な気持ちで受け止めています。

実は先輩と私は、同じ職場で働いているとき「考え方が似ているね」とお互いに言い合っていたことがあります。仕事に対する基本的なスタンスから趣味・嗜好に至るまで、年齢差を感じないほどでした。だからこそ、彼女が今このように悩んでいることは、大きな驚きでした。

先輩は、人からの感謝で「誰かを喜ばせることができた」と自己肯定感を得、それを自分のモチベーションに昇華させていたのです。対して私はそうしたことにほとんど関心がなく、納期までに効率よく仕事を達成できたときに喜びを感じ、次へのモチベーションに繋げていました。私の方が消極的で、内向的な気がします。

以前の離職期間中にも、「在宅で働くことはできないか」と試行錯誤したことがありました。心身ともに疲れ果てて退職した経緯があり、人と関わり合いな...
以前の記事で働き方としての「在宅ワーク」について書いたとき、モチベーションについても少し触れました。やっぱり私は、人から頂く感謝のことばをエンジンには変えられない体質のようです。もちろん、喜んで頂くことはとても嬉しいのですが…。

先輩と私のアプローチは真逆のようです。先輩は主に「外的要因」から、私は主に「内的要因」からモチベーションを維持向上するタイプのようです。本来これらはどちらにも偏らず、バランス良く持っていた方が良いもののようです。

モチベーションが業務適性を超えることもある

私はどちらかというと、流れ仕事のように日々淡々と業務を消化するタイプです。大きなプロジェクトや新しい試み・課題に直面しない限り、自分を奮い立たせるモチベーションを必要とすることはなかったように思います。自分の適性に合った業務であれば、退屈な毎日のルーティン作業でも苦を感じることはありません。

今回先輩と話をするまで、ある程度業務適性があれば、モチベーションは不要であると思っていました。しかしながらこれは大きな間違いであったことが分かりました。身も蓋もない言い方ですが、「人による」のです。モチベーションが業務適性を超え、自分の思っていた以上のパフォーマンスを引き出せる人もいます。

特に転職などで働く環境を変える場合、「自分にできることは何か」「どんな業務適性があるか」といったことに注目しがちです。しかしながら、より満足のいく環境へ自らを置きたいのであれば、それらに加えて「自分のモチベーションを維持・向上するものは何か」「(新しい環境では)それを得られるか」といった点にも気を配るべきなのかもしれません。

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